去る11月5日、国税労組は、単組委員長を交渉団として財務省との交渉を行いました。
冒頭、交渉団長の山部副中央執行委員長(国税中国・委員長)から北村課長補佐に対して要求書の手交をした後、交渉団長あいさつの発言を行った。
交渉議題5本及び現場の声5本を各単組委員長から発言を来ない、当局の見解を求めた。
目次
- 交渉団長あいさつ 発言:山部副中央執行委員長(国税中国)
- 1 定員の確保 発言:志岐副中央執行委員長(国税東京)
- 2 社会経済情勢に適応した機構の充実を図ること。 発言:桑原副中央執行委員長(関信国税)
- 3 税務執行経費等の確保 発言:澤本中央執行委員(大阪国税)
- 4 庁舎・宿舎の改修予算の確保 発言:錦邉中央執行委員(福岡国税)
- 5 旅費法改正:事務の簡素化・支給対象外経費の見直し 発言:水野中央執行委員(北陸国税)
- 交渉団長あいさつ 発言:山部副中央執行委員長(国税中国)
交渉団長あいさつ 発言:山部副中央執行委員長(国税中国)
【組合】
本日の交渉にあたりまして、国税労組の交渉団を代表し、私から一言ご挨拶を申し上げます。
まずは、財務省におかれましては、令和7年度の予算査定等の大変お忙しい時期であるにもかかわらず、このように貴重なお時間を設けていただきまして、改めて、感謝申し上げます。
さて、国税労組では、秋から年末にかけての予算編成期における予算獲得に向けた運動を「秋季年末闘争」と位置付け、関係機関に対する諸行動を展開しているところであります。
本日は、その一連の行動のひとつとして、私たち国税労組としての要望をお伝えさせていただきたく、先ほど、財務大臣あての「国税職員の処遇改善等に関する要求書」を手交させていただいたところでございます。
昨今の税務行政を取り巻く環境は、経済取引の複雑・多様化による、調査・徴収事務等の複雑・困難化、新たな経済活動の拡大、インボイス制度等への対応など、社会情勢の変化による事務量の増加により、従前にも増してより一層厳しいものとなっております。
こうした環境下にあっても、私たち国税職員は、内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現を任務とし、国の財政基盤である税収の確保と、税務行政に対する国民の信頼を得るために、日々懸命に職務に励んでおります。
私たち国税労組は、こうした職員の労苦に報いるよう、定員・予算の確保や機構の充実、さらには処遇改善などといった諸要求の実現に向けて、粘り強く運動を続けております。
本日、要望をさせていただいた事項につきましては、この後、交渉団から主旨を説明させていただきますので、財務省としてのご見解ないしはご回答を頂戴できれば幸いに存じます。
最後になりますが、今回の交渉により、私たち国税の職場で働く職員の「切実な声」が、令和7年度の予算査定に確実に反映されますよう強くお願い申し上げまして、私からのあいさつとさせていただきます。
【当局】
まずは、職員の皆様が税務の最前線でご苦労されているなかで、国税労組が、良識ある組織として健全かつ秩序ある行動をとられ、日頃から職員のためにご尽力をされていることに、感謝申し上げます。
本日お集まりになっている皆さまを含め、国税組織が今、非常に厳しい職場環境のもと、現場の第一線で職務に邁進していることは十分に感じているところです。
1 定員の確保 発言:志岐副中央執行委員長(国税東京)
【組合】
近年の社会経済情勢の変化に的確に対応した税務行政の推進、申告件数の増加及び新規滞納税額の発生などに厳格に対応した執行水準を維持していくためには、定員の確保が必要不可欠である。
国税庁は、令和7年度予算概算要求において、国税職員の定員について、インボイス制度の円滑な実施及び制度を定着させるための対応、消費税不正還付や国際的な租税回避等への対応の観点から、674人の増員要求をしているところであるが、令和7年度の国税庁の定員合理化目標数である552人との差引きによる122人の純増要求について、私たち国税労組は、その満額査定を求めた運動を展開している。
近年、国税庁の定員は若干ではあるが増加に転じているものの、平成24年度から令和5年度までの間で278人もの定員が純減となっている。
更に、過去に消費税率の引上げがなされた平成9年度末定員である57,202人のピーク時と比較すると、1,217人もの純減となっている。
そして、この度の運動の結果、令和6年度予算における定員は、インボイス制度の円滑な実施への対応、消費税不正還付や国際的な租税回避への対応等のための税務執行体制の整備を図る観点などから、36人の純増となった。
このほか、令和5年度末に時限が到来する時限定員25人の減員と、定年引上げに伴う特例的な定員等による384人の増員を加味した結果、令和6度末定員は、395人純増の56,380人となった。
定年が段階的に引き上げられることにより2年に一度定年退職者が発生しないことに加え、政府全体で合理化に取り組む中での定員純増は、査定当局が国税の厳しい職場実態に対し一定の理解を示したことによる結果であったと理解はするが、増大する事務量に見合った増員とは言えず、国民から負託された税務行政に応えるための執行現場の体制整備に追いつく増員といえるものではない。
特に、税務行政の根幹である課税の公平を担保するための一つの指針となる実調率は、減少傾向にあることから、納税者の税に対するコンプライアンスの維持や納税に対するモラルの低下を防ぐためにも、更なる定員の増加が必要であると考えている。
財務省におかれては、現行の税務執行水準を維持し、更に向上していくためにも、純増要求による国税職員の定員確保について最大限努力していただきたい。
【当局】
令和7年度の定員要求につきましては、現在査定当局に対し、消費税不正還付への対応や、インボイス制度の円滑な実施への対応等、必要な定員を要求していると聞いております。
しかしながら、政府全体として合理化に取り組む中、定員の要求をめぐる状況は、引き続き厳しいものとなっております。
厳しい行財政事情の下ではありますが、税務の複雑・困難性や歳入官庁としての重要性などを関係各方面に強く訴え、円滑な税務行政の執行に支障が生じないよう、必要な定員を確保するため、最善の努力を続けていると承知しております。本日、皆様からお聞きした現場の状況につきましても、担当には伝えたいと思います。
2 社会経済情勢に適応した機構の充実を図ること。 発言:桑原副中央執行委員長(関信国税)
【国税労組】
社会経済情勢に適応した機構の充実を図ること。
国税の職場における機構要求に関しては、次の4点を申し上げます。
1点目は、消費税不正還付に対応する「消費税専門官」を増設すること。
近年の税収構造から、消費税は国の基幹税として重要度を増しており、平成26年の消費税率引上げ以降、消費税還付申告は件数・金額ともに増大し、併せて悪質な消費税不正還付事案も散見されている。
消費税の不正還付は、いわば国庫金の詐取ともいえる悪質性が高い行為であるため、特に厳正な調査を実施する必要があるが、複雑な取引形態が多く、調査が長期化する傾向にある。
このような状況に対応していくためには、機動的に深度ある調査を実施するための体制強化が必要であることから、「消費税専門官」を増設すべきであると考えている。
2点目は、国際的な租税回避等へ対応する「国際税務専門官」を増設すること。
近年、海外取引関連法人や海外資産保有者の増加など、経済社会のグローバル化やデジタル化が進展する中、富裕層や海外取引のある企業による海外への資産隠しや、各国の税制・租税条約の違いを利用した国際的租税回避・国際的徴収回避が大きな問題となっている。
国税庁として、経済社会のグローバル化等により複雑・困難化する事案に対し、組織全体で効果的・効率的な調査・徴収事務を行うためにも「国際税務専門官」を増設する必要がある。
3点目は、適正・公平な課税の実現に向けて「審理専門官」を増設すること。
訴訟社会の進展に伴い、納税者の権利意識が従前にも増して高まりを見せている中、適正性・公平性を確保して納税者から信頼される税務行政を推進していくためには、事実認定と法令の解釈・適用を的確に行うとともに、課税処分の適法性が維持されるよう、調査担当者に対する審理面の指示・指導を行っていくことが求められている。
そのためにも、複雑な税法等の適用など、判断に誤りがないことを十分に部内審理する必要があることから、「審理専門官」を増設すべきであると考えている。
4点目は、年々複雑・困難化する事案に対する実地調査及び高額・悪質な滞納事案に対応するための「特別国税調査(徴収)官」を増設すること。
昨今、経済取引がますます複雑・多様化していく中、富裕層等による積極的な海外投資や資産運用の多様化により複雑・困難化する事案に対して、高度な調査能力や専門的知識が必要であり、また、徴収の分野においては、消費税不正還付事案に係る処理困難事案や、経済社会の国際化に伴う国際的な徴収回避事案に適切に対応することが求められている。
そのため、富裕層や大口滞納者などといった、より複雑・困難な事案を所掌する「特別国税徴収官」を増設すべきである。以上、4点の要望については、国税庁においても、令和7年度予算概算要求において私たちと同様に機構の充実を強く求めているところであるが、これらの機構は、より専門性の高い職務を遂行していくために真に必要なものである。
また、全国524税務署の内、こうした専門官の配置がない税務署が多数存在している点や、地方局においては広範囲に及ぶ広域運営に頼らざるを得ない職場実態なども十分踏まえた上で、更なる機構の充実を図っていただきたい。
【当局】
令和7年度の定員要求と同様に、令和7年度の機構要求につきましても、政府全体として合理化に取り組む中、機構の要求をめぐる状況は、引き続き厳しいものとなっておりますが、皆様からお聞きした現場の状況につきましても、担当には伝えたいと思います。
3 税務執行経費等の確保 発言:澤本中央執行委員(大阪国税)
【組合】
私たち国税の職場が歳入の確保を着実に図り、国民から信頼される適正・公平な課税と徴収を実現するための税務執行体制を堅持していく上で、執行現場における予算の確保が極めて重要な課題である。
これまでも現場においては、限られた人員により最大限の公務能率を発揮できるよう、各々が事務処理を行う上で様々な工夫を凝らし、当局に対する業務改善要求を行うなど、税務執行官署に勤める者としての努力を怠らず、日々、懸命に職務に精励している。
しかしながら、高水準で推移する申告件数や滞納税額などへの対応をはじめ、納税者ニーズにも適切に対応するために必要な定員が満足に確保されているとは言えず、また、職員個々の努力にも限界があるため、非常勤職員等のサポートがなければ、到底、我々に課された使命を果たすことができないものと危惧している。
財務省におかれては、今後も、職員一人ひとりが国税職員としての自負と誇りを持ち続け、高い士気のもとで職務に専念できるよう、充実した調査・徴収事務を行うための体制整備に要する予算をはじめ、円滑な確定申告期事務に資する施策の実施に要する予算や非常勤職員の処遇改善と必要な人員確保のための予算など、国税の職場実態や執行現場からの予算要求に対し真摯に耳を傾け、税務執行経費を含む予算の確保に最大限努力していただきたい。
【当局】
税務行政の執行に必要な予算を確保していくことは、国税庁においても、その重要性を十分認識し、これまでも可能な限り予算の確保に努めてきたものと承知しております。
その上で、令和7年度の経費予算の要求に当たっては、政府全体の方針や国税庁の任務と使命の実現に向けた納税者サービスの充実と、適正・公平な課税・徴収を踏まえ、必要な予算の要求を行っていると聞いております。
しかしながら、皆さまもご承知のとおり、我が国の財政事情は極めて厳しく、全省庁に対して徹底した歳出の抑制、経費の節減合理化等を厳しく求められているのが実情と聞いております。
このような厳しい状況ではありますが、税務の複雑・困難性や歳入官庁としての重要性を強く訴え、円滑な税務行政の遂行に支障が生ずることのないよう、必要な予算を確保するため、最善の努力を続けていると承知しております。
現場の声 四国国税 非常勤の社保事業主負担分の予算確保 発言:段之上中央執行委員(四国国税)
四国国税からは、「非常勤職員の社会保険加入に伴って発生する、事業主負担分の予算確保」の必要性についてお伝えします。
社会保険の加入については、令和4年10月に、2ヶ月以上の雇用見込みで、週20時間以上勤務又は月8.8万円を超えると社会保険への加入が必要として、社会保険の加入要件が拡大されており、本人の意思に関係なく、関係法令等に基づき、加入条件を満たした者については、社会保険に加入しなければならないとされています。
ここ数年の給与法改正により、非常勤職員の処遇が改善されていることについては、感謝すべきことです。
しかしながら、非常勤職員が健康保険及び厚生年金保険の加入条件を満たした場合は、事業主負担分が発生することから、非常勤予算の関係で勤務を要しない日を設定することで、加入要件を満たさないように調整しているという状況があります。
さらに、令和6年12月に給与法が改正されて差額支給が行われる場合は、年末に勤務を要しない日を多く設定するなどの勤務調整を行う必要が生じてしまうことが想定されます。
ちなみに、人事院の示す社会保険への加入条件の一つでは月額賃金が8.8万円以上の場合とされていますので、月8.7万円(年間で104.4万円、)で勤務する場合について、令和6年は1月を5万円の差額支給で試算してみました。
そうすると、令和6年1月から12月までの総稼働日数は244日ですが、1日5時間勤務の非常勤職員で時給1,060円の場合は187日(差額支給5万円分は10日)となり、5時間15分勤務で時給1,080円の場合は175日(差額支給5万円分は9日)となりました。
この試算は、有給休暇の日数を含んでいないことと、令和6年の人事院勧告による改定を含んでいないため、それらが加わることで、さらに勤務調整を行う必要が生じてしまいます。
そして、勤務調整により非常勤職員の勤務時間が減少すれば、非常勤職員自身のモチベーション低下が危惧され、ひいては非常勤職員の離職に繋がり、優秀な非常勤職員が確保できなくなる事態が生じると考えられます。
加えて、非常勤職員の勤務時間が減少することで、非常勤職員の事務を周囲の職員が負担することになり、また、非常勤職員の離職となれば、新たに非常勤職員を確保するための事務も生じると考えられます。
社会保険加入により、事業主負担分確保のための予算措置が必要ですが、このままでは非常勤職員が十分な業務を行うことができず、また、職員の負担は増加することが考えられることから、事業主負担分を含む非常勤予算を的確に見積もり確保する必要があると考えますのでよろしくお願いいたします。
また、国税の職場では、内部事務のセンター化を進めており、それに伴い非常勤職員を更に雇用していく必要がありますので、今後内部事務のセンター化を問題なく進めていく上でも非常勤職員の社会保険加入に伴う事業主負担の発生に伴う予算の確保が必要となりますので、よろしくお願いいたします。
4 庁舎・宿舎の改修予算の確保 発言:錦邉中央執行委員(福岡国税)
【組合】
庁舎及び宿舎の改修のために必要な予算を確保すること。
国税の職場に働く職員が、高い士気と強い使命感を持って職務に精励し続けていくためには、良質な執務環境に加え、不安や不満のない住環境等の整備も必要であると考える。
庁舎に関しては、単独庁舎の廃止に伴い合同庁舎への移転が進められるなど、職員の執務環境も変化しているが、全国的には未だ老朽化が著しい庁舎が存在しており、例えば雨漏りなどを原因として天井の石膏ボードが剥がれ落ちるなど、良質な執務環境どころか身体に危険が及ぶ中での公務を余儀なくされている職員もいる。
また、国税の職場では、国税組織の事務運営をデジタル時代にふさわしいものへと転換することを目的として内部事務のセンター化に取り組んでおり、庁舎内をセンター化に対応した執務環境に改修していくための予算の確保が必要である。
宿舎に関しては、公務の要請により広範囲に及ぶ転居を伴う異動の多い国税の職場実態などを踏まえ、真に必要な宿舎を確保することは当然であるが、その中で築年数を相当経過している宿舎については、入居者の要望に応じた修繕等が適時・適切に行われるための予算を十分に確保していただきたい。
いずれにせよ、庁舎及び宿舎の改修に必要な予算は、国税の職場に働く職員の生の声に十分耳を傾けていただき、その予算確保に最大限の努力をしていただきたい。
【当局】
庁舎につきましては、老朽の改善、耐震性能の確保などの観点から、建替えや改修に努めてきたところです。また、宿舎についても、居住環境の改善の観点から改修に努めてきたところであり、今後とも所要の整備を推進していくことが重要であると考えております。
令和7年度概算要求においても、厳しい状況の下ではありますが、引き続き庁舎・宿舎の整備の必要性を関係省庁に説明していくとともに、庁舎・宿舎の維持改善に必要な予算確保に向け、努力していきたいと考えております。
なお、国有財産分科会における答申や研究会報告書を踏まえ、宿舎の陳腐化の解消対応のため、今後、具体的には築40年以上の宿舎など、必要な宿舎に予算をつけて、リノベーション工事を実施する予定と聞いております。
現場の声 道国税 宿舎「バランス釜」の廃止 発言:春日中央執行委員(道国税)
【組合】
道国税から、ただいまの議題につきまして、現場の声として「バランス釜の廃止」をお伝えいたします。
北海道の宿舎の風呂は、「バランス釜」でお湯を沸かすタイプとなっています。「バランス釜」とはガスを燃焼するときに、室内の空気ではなく室外から空気を取り入れ、同じ量の空気を排出する仕組みで、一酸化炭素中毒が起こりにくいとして全国に広まりました。
しかし、室外から空気を取り入れるという仕組みは北海道の環境には適しておりません。
まず一点目として、室外への吸排気のために、浴室内の壁に外部に直結する開口部を開けておかねばならないため、浴室内の気温が外気温に影響され極めて寒くなります。
二点目として、「バランス釜」の機器内に水が残った状態にしてしまうと、残った水が凍ってしまい膨張することで、「バランス釜」を凍結破損させてしまいます。
そのため、風呂に入った後には必ず「バランス釜」の水を抜く作業をしなければならず、万が一「水抜き」をせずに、凍結破損させてしまうと修理代が数万円かかってしまう上、破損した箇所から水漏れが発生すると近隣の世帯へも被害が広がってしまい、経済的負担も大きくなります。
そこで、道国税としては宿舎改修の具体的内容として「バランス釜の風呂を廃止してもらいたい」と要望していますが、更新には費用がかかることからなかなか進まないのが現状です。
積雪寒冷地において人間として最低限の居住環境を整えるため、また予期せぬ経済的負担をかけないためにも、バランス釜を廃止していただくようお願いいたします。
続いて、「宿舎への網戸設置」に関する現場の声をお伝えいたします。
現在、宿舎の窓には網戸が設置されていません。そのため、夏場に窓を開けると虫や外の落ち葉等のゴミが入ってきます。また、プライバシー保護や防犯の観点からも、網戸無しで窓を開けることには不安が残ります。
本州ではエアコンを購入し、引越の際は取り外し、転居先へ付け替えるということも多いと聞きますが、北海道ではそもそも賃貸住宅に入居する者がエアコンを購入すること自体が未だ珍しく、賃貸住宅におけるエアコン普及率も東京で95%を超えている一方、北海道は主要都市である札幌でも27%と1/3程度にしか及ばず、夏場は窓を開けることが基本となっております。
特に近年は気温が上昇し、北海道内でも猛暑日を記録することがある他、札幌市だけで見ても、真夏日の日数は10年前の約2倍にも増加しており、窓を開けずに生活することは熱中症の危険性もあります。
健康に影響を及ぼさないためにも、宿舎の窓へ網戸を設置していただくようお願いいたします。
現場の声 東北国税 職場環境の整備 発言:金子中央執行委員長(東北国税)
東北国税からは、現場の声として「職務環境の整備」についてお伝えいたします。
本年6月に仙台中署の空調設備が故障し、今夏、当該職員は30℃を超える室温の中で執務を行うこととなりました。
当局には小型クーラーの設置やテレワーク、ホームページによる納税者への周知など、出来得る限りの範囲で、職員に負担をかけない方法により対応はしていただきましたが、夏の盛りであり、納税者対応がある以上は一定の在署数はどうしても必要であることや、冷房器具も臨時的な措置では充分な執務環境とするには程遠く、在署職員の中にはあわや熱中症を起こすところであった職員もいた、との声が上がっています。
平成10年代に建てられた庁舎ですらこのような事象が発生するのであれば、それよりも古い庁舎でも同様になるのではないかと危惧されるところです。
また、比較的寒冷な東北で熱中症の危険があったということは、関東や西日本等の東北よりも温暖な地域で同様の事象があった場合には命の危険にさらされるのではないかと懸念されます。
財務省に置かれましては、今夏、こういった過酷な環境下で従事した署があることをご認識いただき、職員が健康に不安を覚えることなく、職員が安心して働ける職務環境を整備していただきたくようお願いいたします。
5 旅費法改正:事務の簡素化・支給対象外経費の見直し 発言:水野中央執行委員(北陸国税)
【組合】
旅費法の改正にあたり、事務の簡素化や支給対象外経費の見直しを行うこと。
先般、旅費法改正法案が成立したが、詳細な規定は政令等へ委任するとなっており、その内容はまだ明らかではないが、職員の事務負担軽減のためには旅費請求手続きの簡素化は必要不可欠であると考えている。
宿泊を伴う出張が多い国税の職場において、現行の請求手続きは事前に届出をすれば増額支給できるものの煩雑で非常に使いにくく、特に急遽現場から現場へ移動することがある現業部門の職員はメタサーチで支給条件にあった安価な宿を探す時間もないため、職務を優先するあまり超過分を自己負担してまで宿泊する場合も多い。
また、移転料の請求では、地域によって3者も引越業者がいないというケースや見積り合わせであると察知して見積りを拒絶される等のケースもあり、職員の労苦は非常に大きいものとなっている。
さらに、移転料については自家用車等の運搬費用が支給対象外経費とされ、その分は原則支給されないこととなっている。
陸続きの場所であれば、自身の運転により運搬が可能であるから運搬費用が不支給となることは理解できるが、離島への異動では船便を利用せざるを得ない。
自己都合でなく、公務の要請による人事異動で転居するにも関わらず、自家用車等の運搬にかかる費用が自己負担となることは到底納得できるものではない。
旅費法改正に伴う政省令の制定に当たっては、誰もが使いやすく納得できる制度となるよう、旅費請求手続きの簡素化と自家用車等の支給対象外経費の見直しを実現していただきたい。【当局】
旅費法により定められている手続等については、国費の適切な支出を図るという旅費法の目的を踏まえて全省庁統一の取扱いとなっているものであり、必要な手続であると承知しております。
なお、旅費制度の見直しについては、これまでも制度当局に対し機会を捉えて意見を提出していると聞いております。皆様からお聞きした現場の状況につきましても、担当には伝えたいと思います。
現場の声 旅費システムの改修 発言:植手中央執行委員(名古屋国税)
名古屋国税から、ただいまの議題について、現場の声を申し上げる。
先ほど主張したとおり、職員の事務負担の軽減のためには旅費請求手続きの簡素化は必要不可欠であるが、それに加えて旅費支給に係るシステム面の改修も重要である。
全省庁統一の旅費に係るシステムは、国税調査の現場においてはしばしば行われる三方(三角)出張に対応していないため、限られた職員しか使用できず、国税の職場に馴染まないシステムであることから各国税局で独自の旅費に係るシステムを使用している状況である。
なお、名古屋局の旅費システムにおいては、出張者が請求した旅費について、その支給時期及びその支給がどの請求に対応するかの内訳が不明である点等が問題となっている。
旅費法の改正に伴いシステム改修が必要であることは容易に想定されるが、国税の職場における旅費請求者、旅費支給事務担当者双方が扱いやすいシステムの導入、また当該システム改修のための十分な予算の確保を求める。
現場の声 支給対象外経費の見直し 発言:池田中央執行委員(沖縄国税)
【組合】
支給対象外経費について、沖縄国税から現場の声をお伝えします。
移転料の実費支給化については、原則として、三者以上から見積りを取得し、最も安価な移転料を支給することになりましたが、自家用車等についての運搬費用は原則支給外経費となっています。これは民間企業において、運搬費用の支給が制限されていることが理由と財務省主計局給与共済課から聞いています。
しかしながら、四方を海に囲まれている沖縄県下の大手民間企業においては、離島等への転勤に際し、自家用車等の運搬費用は認められています。加えて、東京等に本社を置く企業についても、沖縄県に支社等を有する企業は支給の制限はないとの話もあります。これは、財務省主計局が主張する「民間企業においても支給が制限されている。」回答とは真逆であります。
陸続きの場所とは異なり、沖縄本島や離島への異動に当たっては自家用車を運搬する場合は船便を利用する以外手段はなく、財務省主計局が行った民間実態の調査が、陸続き以外の場所への転勤した場合も含めて行われたのか甚だ疑問が残ります。
現在の要件では、離島やへき地への異動に際し、公務上支障が生じる場合に限り、自家用車等の運搬費用を支給対象とすることができると要件が緩和されていますが、離島やへき地から戻る際の異動の場合には要件に該当しないため、それは支給対象外とされています。公務上支障が生じるため自家用車等を運搬しているにもかかわらず、戻る際の運搬費用は支給対象外となることには到底納得することはできません。そもそも、公務の要請で異動するために、借りている居所等を空けなければならないなか、車だけを置いていくことはできるはずもなく、一般的に考えても転居する際には全ての物を運搬するのが道理であり、「支給対象外経費」があること自体、納得できるものではありません。
また、民間企業ではありませんが、沖縄県庁は令和6年度の赴任旅費から自家用車の運搬料を移転料実費支給の対象経費としています。国と地方という違いはありますが、沖縄県内で働く職員には自家用車が必須であるとの考えから、このような対応に至ったと強く推察されます。
今一度、沖縄県内の民間等の実態調査をしていただき、誰しもが納得できる民間準拠を示し、支給外対象経費の見直しを行っていただきますよう、お願いいたします。
【当局】
本日は、皆さんから貴重なご意見・ご要望を伺い、大変重く受け止めております。一方で、皆さんもご承知のとおり、我が国の財政事情は極めて厳しく、様々な制約があることも事実です。このような厳しい状況の中で、我々としても、皆さんのご要望を踏まえ、できる限りの努力は行っていきたいと思います。
いずれにしましても、本日伺ったご意見・ご要望につきましては、誠意ある対応をするよう、各担当に申し伝えたいと思います。
厳しい環境の中ではありますけれども、先輩方がこれまでに築き上げて来た、相互の信頼関係を、引き続き大切にして参りたいと考えております。本日は、皆さんのご意見・ご要望を直接伺う貴重な機会を頂きありがとうございました。
交渉団長あいさつ 発言:山部副中央執行委員長(国税中国)
本日、国税労組として要望をさせていただいた事項につきましては、これまでも、予算編成期が来る度に、例年、お願いを申し上げていることではありますが、私たち国税の職場を取り巻く環境とそれに伴う「働き方」というのは日々変化しており、その変化の度合いは以前にも増して進んでいることを実感しているところであります。
しかしながら、国税の職場で働く職員は、そのような厳しい環境の中にあっても、あらゆる変化へ柔軟に対応しながら、懸命になって、各々の職務や職責を全うしております。
財務省におかれましては、本日、申し上げた要望や現場の声などにつきまして、是非ともこれを真摯に受け止めていただき、国税職員の日々の労苦に報い、切実な思いに応えていただけますよう、重ねてお願いを申し上げまして、私からのあいさつとさせていただきます。
